貸切風呂の大野木荘

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山葵栽培発祥の地・有東木から梅ヶ島温泉へ|世界農業遺産のわさびと秘湯の癒し旅

2025年7月9日

 

⛰ 静岡市の奥深く、山あいの静かな集落「有東木(うとうぎ)」は、日本で初めてわさび栽培が行われた地として知られています。芸術的な美しい山葵田と清らかな湧き水が育むわさびは、世界農業遺産にも認定されるほどの価値を誇ります。

本記事では、有東木の歴史やわさび文化を紹介するとともに、地元食材を使ったランチや特産品を入手できるお店「うつろぎ」の様子、そして有東木地区からもう少し上流へ、車で20分ほどの温泉地・梅ヶ島まで、奥深い静岡の自然と味わいを巡る癒しの旅をご案内します。

🚗 静岡市街地から車で北へおよそ1時間、有東木(うとうぎ)は、安倍川上流の山奥にひっそりと佇む集落です。

周囲を山々に囲まれ、澄んだ空気と清らかな水に恵まれたこの地は、日本で最初にわさびの栽培が行われた「山葵栽培発祥の地」としての歴史があります。

👟 実際に現地へ足を運び、有東木に建てられた記念碑の記述を読んでみると、その歴史を振り返ることができるでしょう。江戸時代に、この地からわさび栽培が伊豆へ、さらに他の地域にも普及した原点がここにあります。

【記念碑より引用】
“延享元年(1744)、三島の代官斎藤喜六郎の命を受け、伊豆天城の住人板垣勘四郎が椎茸栽培の師としてこの地に派遣された。任務を終えた板垣は帰国に際し、弁当籠に忍ばせた山葵の苗を密かに持ち帰り、栽培したのが伊豆の山葵栽培の始まりと言われており、山葵関係者の語り草となっている。”

☘️ 石垣を積み上げた段々のわさび田に流れる清水は、まさに自然の芸術。今も昔ながらの手法でわさびが育てられ、風景そのものがどこか懐かしさを感じさせます。

静かな山里の風景を味わいながら、歴史ある小道や棚田をのんびりと散策すれば、日常の喧騒を忘れ、清流で心も洗われるような時間が流れます。有東木には、観光地としての派手さではなく、“本物の静けさ”と“自然と伝統の美しさ”が息づいているのです。

👣 静岡を訪れるなら、わさびのルーツを辿りながら、有東木の素朴な魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

有東木で育つわさびは、ただの“特産品”ではありません。

🌏 2018年、静岡のわさび栽培は「静岡水わさびの伝統栽培」として、国連食糧農業機関(FAO)による世界農業遺産(GIAHS)に認定されました。その原点にあるのが、山葵栽培発祥の地である有東木です。

この地のわさびが特別である理由は、自然と人の知恵が見事に融合した環境と、その歴史にあります。

わさびの栽培には、年間を通じて水温10〜15℃前後の清らかな水が必要とされます。有東木では、豊富な湧き水が段々畑のように整備された、「畳」と呼ばれるわさび田に流れ込み、1年を通じて安定した水量と水質が保たれています。

さらに、現代から歴史を遡ること400年超、有東木のわさびにまつわる逸話があります。

🏯 当時、駿府城(現在の静岡市)に隠居していた徳川家康のもとに、有東木で栽培されたわさびが献上されました。家康はその爽やかな辛みと香り、そして清涼感のある味わいを大いに気に入り、「門外不出」として他所への持ち出しを禁じたと伝えられています。

☘️ とくに、わさびの葉の形が「徳川家の葵の御紋」に似ていたことも、その価値を高めたといわれています。有東木のわさびは、味や香りの良さだけでなく、見た目の縁起の良さからも、将軍家に大切に扱われたのです。

このように、有東木で育まれたわさびは、400年以上も前から、将軍家お墨付きの“天下の一品”として重宝されてきた特別な存在。現代でもなお、その伝統と品質が守られ続けています。

こちらは、静岡駅からまっすぐ北へ、車で40分くらいの地点です。ここで、有東木の集落へ通じる道の分岐点に差し掛かります。

この先、美しいわさび田の景色を横目に、やや勾配のある道を5〜10分くらい登った先にあるのが、わさび田の美しい風景が広がる有東木の集落と、地域の魅力をぎゅっと詰め込んだ、地元のお母さん達が運営するお店「うつろぎ」です。

■所在地:
静岡県静岡市葵区有東木280-1
Google Map

■定休日:
毎週火曜、年末年始、農繁期(5月上中旬頃)

■公式サイト:
https://utougi.hiho.jp/

⛰ お店の周辺では、石積みの棚田に広がるわさび田の美しい風景を一望でき、まるで自然の中に溶け込むような穏やかな時間を過ごすことができます。

🍱 ここでは、有東木のわさびをはじめ、地元産の食材をふんだんに使ったランチを味わえます。

🍚 特に人気なのはこちら。定番の原木椎茸とわさびの葉などの天ぷらに、山菜そば、ご飯+鰹ぶしに、たっぷりのわさびをお醤油でいただく、「さびめし定食」です。

💡 週末のランチは混み合いますので、早めの到着がおすすめです。

🍀 売店では、採れたてのわさびやわさび漬け、地域の農産物・加工品などのお土産も充実。旅の思い出や贈り物として喜ばれる品々が揃っています。

🌲 山間に広がる静かな風景と、素朴で丁寧な味わいに触れられる「うつろぎ」は、有東木の良さを肌で感じられる場所。季節ごとに表情を変えるわさび田を眺めながら、心も体もほっと一息ついてみてはいかがでしょうか。

「せっかく有東木まで行くなら、温泉にも入りたい」——

♨️ そんな声に応えてくれるのが、有東木から少し上流側にある梅ヶ島温泉郷。

🚗 有東木まで登ってきた峠道を県道29号線まで下り、そこから北へ15分くらい進むと、梅ヶ島温泉の玄関口にある「コンヤ温泉」、20分くらいで日帰り温泉のある道の駅「黄金の湯」があります。

🌳 四季折々に彩られる山々の風景を眺めながら、自然に囲まれた温泉で疲れを癒す時間は、有東木での散策とはまた違った“深い癒し”を感じさせてくれるはず。観光で歩いた足をじんわりほぐし、心までゆるむような体験が待っています。

♨️ 日帰り入浴なら、広々とした休憩スペースのある日帰り温泉施設の他、レストラン、地元の産品を扱う売店などが併設された「黄金の湯」がおすすめです。

■施設名:
梅ヶ島新田温泉・黄金の湯

■所在地:
静岡県静岡市葵区梅ヶ島5342-3
Google Map

■定休日:
毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始

■公式サイト:
https://www.koganenoyu.com/

「せっかく梅ヶ島温泉まで行くなら、入浴して帰るだけじゃ勿体ない!梅ヶ島で他にも楽しめることはある?」

💡 それなら、黄金の湯と同じ敷地内にある、こちらの工房がおすすめです。梅ヶ島の茶葉を使って、その場で「自分だけのオリジナル紅茶・チャイづくり」ができる体験工房「梅ヶ島くらぶ」です。

🔽 詳しくはこちらの記事をどうぞ。

せっかく梅ヶ島まで来ていただくなら、日帰りではなく1泊滞在して、温泉と自然が織りなす様々な表情をゆっくり味わってみてください。

【施設名】
梅ヶ島コンヤ温泉 大野木荘

【所在地】
静岡県静岡市葵区梅ヶ島4269-10
Google Map

🌟 朝夕で移ろう山の景色や、静けさに包まれる夜のひとときは、泊まってこそ体験できる贅沢です。

🌙 夕食後に空を眺めながら浸かる露天風呂、早朝に山肌から登る日の出の瞬間を眺める時間は、日帰り旅行では決して得られない非日常体験となります。五感が研ぎ澄まされ、心がすっと静まる感覚に包まれるでしょう。


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